いつになっても試行錯誤と学びの毎日

とある教育コーディネーターが学校でやってきた実践と失敗の数々

はじめての先生シリーズ〜授業(教科会)〜

「先生」という仕事にどのような印象を持っているでしょうか。

多くの人は、「授業」という印象があるでしょう。

ほとんどの人は、授業を受けてきたと思いますので、先生=授業をする人、という印象があると思います。

 

ところが、先生は授業のみをするわけではありません。と、いうこともみなさんは知っているでしょう。「あー先生って、大変そうだなー」とニュースでよく聞くでしょう。

では授業以外にどのような仕事があるのでしょうか。

以前、センセイのお仕事をまとめてみましたが、働き方改革に直結する内容として記載してみました。

someunsungone.hatenablog.com

 

今回は、教採の結果もそろそろ出るでしょうし、これから初めて先生になる人にとっては4月に「こんなに仕事があるのか!」と驚くかもしれないので、はじめての先生シリーズの第1弾として、もう一度先生方が日々行っている仕事についてご紹介しようと思います。

  1. 授業(教科会)

  2. 評価(試験)

  3. 校務分掌(委員会)

  4. 学年会

  5. 部活動

  6. 保護者対応

  7. 清掃

  8. 運営委員会、職員会議、その他委員会

  9. その他業務(入試、オープンスクールなど)

ざっと日頃先生がされている業務を軽く上げてみても、これだけの業務があります。

なお、下線を引いているものは、非常勤講師も行う業務です。これだけ見ると、非常勤講師は仕事量少ないと思われるかもしれませんが、給与体系が異なりますし、場合によっては他の学校に行くなど非常勤講師は非常勤講師で大変なこともあります。安定した雇用環境とも言いにくいです。今回は非常勤講師について説明は避け、1.授業(教科会)についてみてみましょう。

 

1.授業(教科会)

授業は先生の仕事の中でも3分の1を占める仕事です。

先生は、教育職員免許状(いわゆる教員免許状)を取得し、免許状に記された(認められた)教科等を授業で教えることができます。

校内では、いわゆる教科会というものに所属します。

例えば数学の免許状を取得すると、数学に関する授業を受け持つことになりますが、数学には、「数学Ⅰ」や「数学B」など学習指導要領にある教科があります。それら全て一人で担うことは不可能に近いでしょう。

そこで、同じ免許状を持っている方と授業を分け合うため、「教科会」と呼ばれる会議体に組織されます。

 

教科会では、誰かが教科主任になり、例えば教育課程や評価方法が変更された時に、率先して教員研修に参加し、他の教科担当の先生に伝達するなどの役を担います。

教科会では、教材や試験範囲の検討などを行います。公開授業の担当になった場合、教科会の中で、誰が公開授業を担当するかといったことを決めたり、新人教員の場合は、教科会の中で授業の評価などを行います。

 

教科会の規定は学校によって決まりますが、例えば教科会の中で親睦を深める親睦会が開かれたり、教科会が教員全体の親睦会の司会を担当するということもあります。

 

授業は先生の先生たる所以の部分ですが、授業のやり方について校内で研修することは滅多にありません。新人教員向けに、授業の進め方等について教えられるということはほとんどないと言ってもいいでしょう。大学での教職課程履修を通して、「教育実習」や「指導法」を学んでいたり、教員採用試験で「模擬授業」を経験しているからともいえます。

また、先輩の背中を見て覚える、ということもありません。今は、SSS(スクール・サポート・スタッフ)やTT(ティーム・ティーチング)など、1人ではなく2人で授業をするということもありますが、基本的には授業は教員1人で実施するというのが前提になっています。

 

教員になるためには、教育実習に行かなければなりませんが、教育実習の時に毎回作れといわれていた指導案ですが、残念なことに、先生になると「指導案を作る」ということはあまりありません。

というか、9割9分9厘ありません。指導案を作らない代わりに教科書があるわけですので、有効に教科書を活用していきます。上記のように、他に8つも仕事があるわけで、1日8時間の中で、授業をし、教材研究を行い、指導案を作成するとなると、仮に授業が2時間だとしたら、教材研究に5時間、指導案作成に3時間とすると、あっという間に10時間(残業2時間)となってしまいます。

 

幸いなことに、それぞれの先生は授業用のノート等に記録されており、過去(1年前)のノート(あるいは、ワードやパワーポイントデータ)をアレンジしながら授業に臨んでなんとかなっているというのが現実です。

 

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可能であれば、教員になる方は、塾講師のアルバイトは経験しておくと、授業の組み立てや授業の見通し、児童・生徒との関わりについて学ぶことができるでしょうからおすすめです。また、教育インターンシップや教員ボランティアなどで授業のお手伝いをしておくことを勧めます。

授業については、誰かに見てもらうのが一番良いので、もし見てもらいたいという方がいればオンラインでも結構ですので、気軽におっしゃってくださいね。

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ということで、今回は、授業(教科会)についてざっくり見てみました。

次回は、評価(試験)について考えてみたいと思います。

それではおのおのぬかりなく。