前回に引き続き、はじめて先生になる方向けに、先生になる時に知っておくべき情報をご紹介します。前回の記事はこちらから。
おさらい
先生のお仕事は、次の8つあります。
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授業(教科会)
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評価(試験)
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校務分掌(委員会)
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学年会
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部活動
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保護者対応
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清掃
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運営委員会、職員会議、その他委員会
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その他業務(入試、オープンスクールなど)
今回は、2.評価(試験)についてです。
2.評価(試験)
授業は児童・生徒に、知識や技能のほか、その学校や各教科で求められる視点や能力、学びに向かう姿勢を身につけてほしいために行います。
そのため、実施した教授方法でその児童・生徒たちが、ねらい通りに身についたかどうかを知る必要があります。
それを「評価」といいます。
中間試験や期末試験のようなペーパーテストを評価と思われがちですが、広義の意味では”ちゃんと身についたかどうか”を見るためのものだ、ということを忘れないようにしましょう。
ということは、「赤点が多い!」というのは、「自分の指導方法、教授方法があかんかった!」ということを意味するということでしょう。目指すのは、全員100点ということでしょうかね。ただ、それはそれでどうなの…?と思いもします。運動会の徒競走で手を繋いでみんなでゴール、というような印象も受けます。
評価をする上で大事なことは、赤点の児童・生徒が、きちんと合格点が取れるように次の指導を考えるということです。黒板で指導するだけでなく、映像を使って導入をする、プロの人間に来てもらう、など様々な指導の手札を切っていくことでしょう。
ルーブリック評価、パフォーマンス評価
今話題になっているのは、本当にペーパーテストが評価として最適なのか、がというところです。知識や技能を伝授する授業であれば、ペーパーテストは点数化しやすいです。
ところが、今は、知識や技能だけではなく、思考力・判断力・表現力という数値化しにくい力、「非認知能力」を育むことも求められます。
例えば、「自分が研究したことをプレゼンテーションソフトを使ってプレゼンテーションする力」が身についたかどうかを知るためには、どのような授業を行い、どのような評価をしますか、ということが求められているのです。
もちろんペーパーテストというやり方もあります。
「プレゼンテーションの作り方をA〜Eまで順番に並べよ」というような形やプレゼンについての会話文の途中に空欄があり、その空欄に埋められる内容を選べ、ということもあるでしょう。実際に、共通テストではディスカッションのやり方について並び替え問題が出たこともあります。
純粋にその児童・生徒の能力を見る時に使う評価方法で、「ルーブリック評価」と呼ばれるものがあります。
ルーブリックはあらかじめ児童・生徒に、身につけてほしい力を示し、その評価される場面(パフォーマンス)を示し、規定の評価をクリアしたかどうかを確認します。
プレゼンテーションのスキルがあるとしたら、例えば「論理的思考力」が代表でしょう。そのパフォーマンスとしては、「伝えたい情報を適切に分類し、起承転結に沿ってプレゼンテーションする」というような内容かもしれません。
その場合、
・A評価=伝えたい情報を適切に分類し、起承転結に沿ってプレゼンテーションする
・B評価=伝えたい情報を適切に分類し、プレゼンテーションする
・C評価=伝えたい情報を適切に分類できていない
というような評価に階段を作るイメージです。
ルーブリックは表にされていることが多いです。
海外では、ルーブリックは各教科の先生が作り、それがプラットフォームにアップロードするという仕組みになっています。
*注意!!海外のサイトで全て英語です!!
中間、期末がない!?
また、中間試験や期末試験がない学校もあります。
試験というものがなくてどう評価するのかということですが、日頃の授業の「見取り」や小テストなどで事足りるということも考えられます。
中間試験や期末試験は、他の教科の勉強もありますし、本当にその学問の中で知識や能力の定着を図るのであれば、試験期間を分散させるということもいいでしょう。
単元テストと呼ばれるやり方がこれに当たります。
単元ごとに試験があり、試験期間ではなく授業の時間の中で試験を行い、それらの総合評価を行なって10段階や5段階の評価をつけるということになります。
学校によって評価のやり方が異なってきますので、この辺は赴任先の学校とコミュニケーションを取り、授業計画を立てる前に、どのような知識や能力を身につけてほしいのか、どのように評価しようか、ということを考えましょう。
教科会の中でもしっかり会話し、連携を図りましょう。
観点別評価ということも最近のキーワードとして出てきますが、深い話になりますのでまた別の機会で解説しようと思います。
ということで、今回は、評価(試験)について見ていきました。
それではおのおの、ぬかりなく。