先生には、保護者の対応という仕事もあります。
明文化されていませんが、かなりしんどいことが多いです。
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授業(教科会)
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評価(試験)
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校務分掌(委員会)
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学年会
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部活動
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保護者対応
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清掃
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運営委員会、職員会議、その他委員会
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その他業務(入試、オープンスクールなど)
ということで、今回は保護者対応です。
保護者対応
保護者というと、モンスターペアレントと関連しがちですが、実は結構議論の余地があるところで、教育経済学の分野でも扱われます。
ざっくりというと、全ての仕事はモノやサービスを受ける受益者がいて、受益者は料金を渡します。ところが、教育においては、ほとんどの場合、児童・生徒の保護者がお金を払いますが、その教育サービスを受けるのは児童・生徒です。サービスを提供するのは先生です。ここに、一般的な経済学の理論が通用せず、お互いの思いが錯綜するわけです。
もちろん保護者対応は授業参観は別としても、授業ではありません。評価にも反映されません。校務でもありませんし、部活動でもありません。
ましてや、民間企業のようにお客様サービス窓口というものもありません。一人の先生として対応することが求められるのです。だからこそ、しんどいし、マニュアルも存在しない(ことが多い)ので、心が疲れることがあります。
担任としての保護者対応
はじめて先生になる場合、よっぽどのことがない限り、担任になることはないでしょう。担任の先生になると、入学式後のクラス保護者会を行なったり、卒業式のホームルームなどがあります。また、夏休みになると、三者面談(もしくは二者面談)もあります。
日常では、児童・生徒が体調不良になって休んだり、いじめにあったりした時、不登校相談など、児童・生徒が安心・安全に通学するのにバリアがあることがあると保護者といっしょにチームになって乗り越えていくことが求められます。
ですが、担任の先生としては、保護者=お客様として全身全霊にニーズを汲むということはあってはなりません。なぜなら、保護者はお客様ではないからです。児童・生徒たちの学び、人間形成に適することを提供することが必要なので、時に叱ることで学びや人間形成につながるなら保護者が怒りの言葉を述べて来ても、逆にバリアにならなければなりません。
といっても、先生も人間ですので、貫き通すのはしんどいですし、「本当にいいのかな」と悩むこともあるでしょう。
「学年会」はそういった時に、一人の先生に任せきりになるのではなく、全体で対応できるように人材配置や配慮をする必要があります。
また、校長や管理職は学校の意思、教育目標をしっかり伝えて、納得してもらえるように事前に尽くすしかありません。
正直言って、この辺の対応は、もちろん大学の教職課程で学ぶことはありませんよね。またどう対応すればいいのかをアップしようと思います。
部活動での保護者対応
部活動は放課後よりも土日や遠征、合宿、試合などでしばしば保護者とコミュニケーションが求められます。部活動においては、保護者から部費を頂戴していますので、その会計に透明性が求められます。
合宿でどこに行くのか、バスのお金や送迎時間なども知らせる必要がありますし、練習のON/OFFの日程の連絡を伝えることもあります。
地域のクラブや習い事に入っていたりすると、子供よりも保護者の方がかなり熱い思いでいる可能性もありますので、かなり要望を受けることもあります。
これも、透明性も求められることでしょう。子供たちによっては、「部顧問とコミュインケーションが密(あるいは知り合いや友人)だから、レギュラーになっている」という怪しい噂や根も葉もない噂が生まれるかもしれません。
もちろん保護者と一緒にチームを組むことが大事なのですが、やり方を誤ると無意味な人間関係の不和になるかもしれません。
チームビルディング
担任として、あるいは部活動の顧問として、保護者と関わる機会が多いわけですが、どちらも大事なことは保護者と対立することではなく、チームになることです。
先生というものは、立候補でも、推薦でもなく、急に保護者のチームを率いることになるため、「新米です、ぎゃくに教えてください」という立場で収まると要望が多くなり、不公平感が出る可能性もあります。また、「サービス対象者は子供たちなので、保護者は出てこないでください」という立場になると、「どういうことですか!!」と乗り込まれる可能性があります。
下からでも、上からでもなく、先生として信頼していただくために、教育目標やルール(こうしたら叱りますよなどを記したもの)をことあるごとに伝えることで、民間的なチームでもなく、公的なチームでもないという特殊なチームを作ることができるでしょう。
簡単ですが、先生の保護者対応をまとめてみました。
これも前述した通り、対応のやり方がマニュアル化されておらず、人間性をモロに出して対応するということが厳しいのです。少しでも心を軽く、こうしたらこう、というエビデンスに基づく対応を心掛けてみましょう。今後作っていこうと思います。
それではおのおの、ぬかりなく。