いつになっても試行錯誤と学びの毎日

とある教育コーディネーターが学校でやってきた実践と失敗の数々

2024年お疲れさまでした、2025年もお願いします!

今年は業務委託でお仕事をいただくことができた一年でした。
 
詳細は割愛するとして、
・財団法人のお仕事(県教育委員会関係のお仕事)
・他県の教育委員会主催の研修サポーター
・教材制作のお仕事
をいただきました。
関係者の皆様、ありがとうございます。
 
ひょんなことから私のこと(オンライン勉強会などで)を知っていただき、そのつながりで他県の高校ともつながることができました。
こうした活動はKeepしていこうと思います。
 
一方で、とある自治体の業務委託は、教育系ではありませんでしたが、受託することができず、少し残念でした。そして、実はとある会社の最終面接まで行ったのですが、残念ながら採用に至らず、となっています。
 
また、ブログやYouTube(高校魅力化よもやま話)も途中で更新がストップしております。
UnityやITパスポート、DXアドバイザー、狩猟免許(ワナ)も足を踏み入れたところで止まっています。
 
===
 
今年一年で学んだことは、
  • エサがやってくるのを待っていてはダメだ。もっと営業しなければならない。
  • もはや20代ではない。PIVOTしていかないと体力勝負で負けてしまう。
  • 裏だけではなく、表にも出ていかないといけない。
  • 受け皿が要る。
ということでした。
これらの学びを引っ提げて、翌年はスケールしていこうと思います。
 
===
 
コーディネーターという仕事は薄給です。
必要とされていながら、講師職よりも低いことが大半です。
 
ジョジョではないですが、仕組み(メカニズム)を変えていかないと、いつまでもやりがいだけで続ける職業となってしまいます。
 
コーディネーターをしながらも、自分らしく稼いでいる人もいます。
その人たちと自分の違いを考えると、
  • エサがやってくるのを待っていてはダメだ。もっと営業しなければならない。
  • もはや20代ではない。PIVOTしていかないと体力勝負で負けてしまう。
  • 裏だけではなく、表にも出ていかないといけない。
  • 受け皿が要る。
ということを着実にされている方ばかりでした。
自分自身もアップデートして、界隈でオンリーワンなポジションを築けるようになります。
 
□1月の予定
  • 1月からYouTube(ラジオ?)が再スタートします。ブログに書いていることをもとに、短時間で聞けるコンテンツをガシガシ作ってまいります。
  • 教材を4本納品します。動画コンテンツにも着手します。
  • 外部団体とジョイントできるよう、受け皿を整えてまいります。
  • 営業となるコンテンツを整えていきます。
 
2025年もどうぞよろしくお願いします。
 

実践!学校経営シリーズ「バランススコアカードで学校経営を分析する」

僕が実践!学校経営シリーズを書いているのは、「学校は教学と経営のバランスが重要」ということをただ一つ主張したいがためです。

 

学校が様々な施策を展開するのはよいのですが、適切に分析して、次に生かすということができているでしょうか?

よもや、児童・生徒の進路がうまくいった!という一点だけで評価していないでしょうか?結果だけを見ればそれでもいいかもしれませんが、内情、教員が疲弊して次年度につながっていない場合、それは赤字だと以前定義したように思います。

 

教学に注力するあまり、経営の視点が十分に取り入れられていないというギャップを埋めるためのツールとして注目したいのが、バランススコアカード(Balanced Scorecard, BSC)です。


バランススコアカードとは何か?

バランススコアカードは、企業経営の分野で開発された戦略管理ツールで、4つの視点から組織のパフォーマンスを評価・管理します。このアプローチを学校経営に応用することで、教学と経営のバランスを図りつつ、学校全体の目標を統合的に達成することが可能です。

4つの視点

  1. 財務の視点

    • 学校運営の財務的な健全性や効率性を評価します。
    • 例:予算執行率、寄付金収入の増加。
  2. 顧客(ステークホルダー)の視点

    • 生徒、保護者、地域社会といった学校のステークホルダーの満足度やニーズへの対応を評価します。
    • 例:保護者満足度、生徒の進路実績、地域イベントへの参加率。
  3. 内部プロセスの視点

    • 教育カリキュラムや学校運営プロセスの効率化や質の向上を測ります。
    • 例:授業の質に関する評価、行事の実施率。
  4. 学習と成長の視点

    • 教職員のスキル向上や生徒の長期的な成長を促す仕組みの整備状況を評価します。
    • 例:教員研修の参加率、生徒の自己肯定感向上プログラムの実施。

学校経営におけるBSCの導入の意義

1. 教学と経営の「見える化

BSCを活用すると、学校の「教学」と「経営」の目標が明確になります。たとえば、以下のように双方を関連付けた指標を設定することができます:

  • 教学の目標:生徒の学力向上
    → 関連する経営指標:教育ツールやICT機器の導入率。
  • 経営の目標:予算の効率的な配分
    → 関連する教学指標:授業準備時間の削減と教育成果の向上。

これにより、教学と経営が「対立するもの」ではなく、「相互補完的な目標」であることを明確にできます。


2. 戦略の統一とコミュニケーションの向上

学校に関わる全てのステークホルダー(教職員、保護者、地域住民など)が、同じビジョンや戦略を共有するためのフレームワークとしてBSCを活用できます。
たとえば、学校全体で以下のような戦略マップを作成します:

  • 財務:学校運営を持続可能にする。
  • 顧客:保護者と生徒の信頼を高める。
  • 内部プロセス:授業の質を向上させる。
  • 学習と成長:教職員の働きがいを向上させる。

戦略マップを全教職員に共有し、各目標がどのように繋がっているかを可視化することで、校内の一体感を醸成できます。


3. PDCAサイクルの強化

BSCを活用すると、各指標に基づいて定期的に目標達成度をモニタリングできます。このプロセスは、いわゆるPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を強化し、持続的な改善につながります。

  • Plan:目標設定(例:進路実績を前年より5%向上)。
  • Do:施策実施(例:進路指導の個別化)。
  • Check:進捗確認(例:定期的なデータ分析)。
  • Act:改善策の実施(例:進路指導時間の再配分)。

 

これら3つのメリットは、例えば学力向上の目標を達成するために、財務としてはどのようなKPIを立てるべきか、顧客(生徒や保護者)とはどのような関係性を持ち、どのようなKPIを立てるべきか、カリキュラムや教員研修はどうあるべきか、、といったことを考慮する必要があるという意味です。

学力向上のために、勉強時間が云々だけではなく、そのために何をすべきか、といったTodoにまで関係して考えなければならないという点が、非常にクリティカルです。

何が言いたいかというと、戦略に落とし込みやすいということです。

 

僕が、フレームを導入すべきだと考えるのは、思いつきやジャストアイディアを防ぎ、一定の理論に基づく思考のポイント(いわば補助線)があるようなものなのです。

使わない手はありません。

 

===

ちなみに、この文章のほとんどは、AIが添削してくれたものです。

BSCで学校経営について言いたいことを、ざっと要約してくれました。

これも時短テクニックなのかもしれません。

 

積極的に楽をして、楽しく生きていきましょう。

というわけで、おのおのぬかりなく。

 

 

実践!学校経営学シリーズ「教員の経験年数に期待しないパート」②

someunsungone.hatenablog.com

こちらの続きです。

 

本来どうあれば、システムとして機能しそうかを検討してみたい

と書いていたので、もし私が校長なら、教育長なら、学校をこうデザインする、ということで読んでいただいたら良いかと思います。

 

前提として、生徒数や学科、クラス数は一定とします。

 

大切な価値観「休みやすくする」

大切な価値観として、「休みやすくする」というものがあります。

例えば、家族の用事が入った時、今の体制では休みやすいでしょうか?

きっと休みにくいと思います。

それは「雰囲気が〜」とか「上司が〜」ではなく、「授業に穴をあけたくない」という思いからくるものだと思います。

 

教科書などの教材も同じ、教員の知識も同じであれば、民間企業の場合は、チームで担当をしているため、担当が変わってもほぼ同じクオリティを期待できます。

ところが、授業においては、そうはいきません。

指導案はあるにはありますが、すべての授業が指導案通りに進むことはなく、授業も当初予定だった内容を端折ることや辿り着かず、生徒たちの理解が思ったほどうまくいかず、次の授業に持ち越しということもあります。

そのため、

代わりの先生はいるけど、自分じゃなきゃ授業ができない

と思ってしまい、休みにくくなってしまいます。

 

そのため、教員数を増やすとかではなく、まずはこの改革が必要です。

そこで、

  1. 単元ガントチャートを作る
  2. 教科書をベースにしたスライドとワークシートを作る
  3. 各授業をどの程度進んでいるかを授業ごとに報告する(記入する)
  4. 小テストで理解度を計る
  5. 指導方法についてお互い共有し、各学校のスタイルを確立する

という手順でクオリティを担保していくことから始めます。

この際、「オレ流でやりたい」という方もいるでしょうが、目的は休みやすい体制を作るということで、むしろ知見を共有してもらう立場になってもらいたいですね。

 

1。単元ガントチャートを作る

ガントチャートというのは聞き慣れないかもしれませんが、プロジェクトのTodoを最初から最後まで洗い出し、スケジュールを作り、進捗を管理するやり方です。

単元がいつ終わる予定なのかを教科担当で共有することで、試験範囲も共有しやすくなるだけでなく、年度ごとの傾向を見ることができるでしょう。

 

2。教科書をベースにしたスライドとワークシートを作る

また、教材を一定のクオリティに保つために、提示する情報の量をコントロールする必要があります。

ここは教科書メーカーが出して欲しいところですが、デジタル教科書ではなく、Googleスライドのようなスライドを共有することで、グッと楽になります。

また教科によっては、ワークシートの方が良いケースもあり、穴あきのプリントを提示して、授業では空欄を解説するというスタイルもありますよね。

こうした、誰でも使える教材を整えるというのが重要になります。

(民間では、営業ツールを整えるようなものです)

※注意※

そんな時間ねェよ!と言われそうですが、理想なので怒らないで・・・

 

3。各授業をどの程度進んでいるかを授業ごとに報告する(記入する)

授業が終えると、今日はどこまで進んだのかをガントチャートに記入し、所感を含めて提出しましょう。

どこの理解が及んでいなさそうだったのかや、この例えが効果的、この発問にしたといったノウハウを共有します。

また、想定よりも進んでいない場合は、次の授業の展開も見据えると良いでしょう。

 

4。小テストで理解度を計る

例えば授業の最初と最後に、3分ずつでいいので小テストを実施しても良いですね。

これは、理解度を測るためでもあるのと同時に、授業に対するフィードバックにもなります。

もし授業の進度は予定通りなのに、理解度はそこまで・・・ということだと、置いてきぼりの授業になっているかもしれません。一旦立ち止まり、理解度が追いついていない部分や大事な部分は何度も説明した方が良いケースもあります。

 

1。ガントチャートを作る時は、一度立ち止まることができるスケジュール感で作ると良いでしょうね。

 

5。指導方法についてお互い共有し、各学校のスタイルを確立する

そして重要なことは、「オレたち流」の指導方法を、「その学校流」の指導方法に変革することです。あの先生の教え方はいいけど、この先生の教え方は・・・といったことにならないようにするわけではなく、指導方法は多様で良いと考えます。

教材の質が一定で、それをどう指導するかという点ではそれぞれの教員でその手法は異なっていてもよいのですが、生徒が選択できる方が望ましいでしょう。

与える情報量は一定で、それをどう届けるべきかということが問題になってくるので、複数人の授業で選べると良いかもしれません。

 

===

学校現場を知っている人が見ると、絶対に不可能だと思うでしょう。

ところが、部分的には取り入れられないでしょうか?

●スライドやワークシートは、すでに先達たちが作ってきたものを流用できないか

 教材さえ整えば、誰が代わりを務めてもそれなりにクオリティは期待できるものになります。なんなら、動画コンテンツで代用してもよいかもしれません。

 

●小テストは課題にするのはどうか

 小テストを毎授業で実施するのはしんどいです。

 となると、小テストだけ課題にしても良いでしょう。評価しないという前提で。なぜなら、理解度を計るためだけなので、例えば5問だけでも小テストにして、先週分の授業の理解度を測るという工夫もできそうです。

課題で出しているというケースもほとんどだと思いますが、クイズ形式で小テストをするというのも良いでしょう。

 

というように。

 

この写真は、本校で行なっている総合的な探究の時間のスケジュールと教材です。

(黒くなっているのは終わった日程のためです)

総合的な探究の時間は他教科ほど単元構成がはっきりしていないため、こういった共有がしやすいものと思いますが、それでもスライドとワークシート、台本が揃っているだけで、誰でもクオリティを担保することができる仕様にすることができました。

 

必要に駆られてこのような仕様にしたのですが、新年度始まっても安心できる教材たちになっているはずです。

 

気兼ねなく休める=楽にできるかどうか

様々な業務が積み重なり、心が疲れる先生も多いです。

そんな時、先生の心理的負担を取り除くだけでなく、生徒にとっても「急にいなくなったけど、大丈夫かな」と不安にさせるのを取り除くことができます。

心がインフルエンザなのかもしれないと思ったら、即チームで切り替えるという意思決定も重要です。

 

TAをつける

次に、各クラスに、TA(Teacher's Assistant)をつけることをします。

一番いいのは、各先生に一人TAをつけることですが、授業あるいはクラス単位でTAがいると良いでしょう。

TAの役割は

  • 採点
  • 試験監督、模擬試験監督
  • 電話対応
  • 予算執行、予算管理
  • プリント等印刷、仕分け
  • 学校行事や分掌等の打ち合わせ参加、アジェンダや議事録作成

になります。

TAに求めることは、生徒への指導には立ち入らず、マニュアルがあれば一定のクオリティを発揮することです。

先生が授業に集中できるような体制にするため、授業以外で行なっている業務を取り除く必要があります。

 

打ち合わせは先生も一緒に行うケースが多いですが、議事録を作る風土があまりありません。どのようなミーティングを行なったのかを議事録として残すことで、引き継ぎが楽になります。

 

教育は、秘匿性が高い仕事ではありますが、教育の仕事を民主化していかなければ、楽にならないし、定時で帰ることができません(時給が高くなりません)。

そのためには、今ある仕事を分業できるなら分業する姿勢が重要です。

大学で行なっているSAやTAという業務があるなら、積極的に取り入れるべきです。

(大学のTAはティーチングアシスタントなので、少し意味が異なります)

 

また、教育は景気の調整弁としての役割も持ちます。

景気が悪い時に教育に投資する、つまり仕事がある状態にすることで、地域の経済が潤い、景気回復にも有効です。そのためにも、より多くの人が教育に関わって欲しいですね。

 

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こちらも無理な印象がありますが、できれば取り入れたいものです。

例えば、9時〜18時の9時間(1時間休憩)で、時給1,000円なら、1日9,000円です。

週に3日間として、すべてのクラスではなく、まずは各学年で取り入れると3名。

また、誰かがいない人を作らない(最低でも1.5名はいる状態)と仮定すると、

月に9,000円/日×1.5人日×5日×4週間=27万円。12ヶ月で324万円となります。

1名の教員を雇うことに匹敵します。

しかも、教員の様々な業務を引き取るため、効果は大きいかもしれません。

 

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「教員の経験年数に期待しない」ために、2つの改革を提言してみました。

1)「休みやすい」を念頭に置いたシステム作り

2)教員が授業に集中できるようにするためのTAの導入

 

既存の仕組みでどうやりくりするかというマネージメントの考え方ではなく、既存の仕組みの課題を念頭に、目的を見据えて施策を打ち込むということが肝心です。

まずは教員にとって働きやすい環境をいかに作るかという視点で学校経営を考えてもいいかもしれません。

 

それではおのおのぬかりなく。

 

実践!学校経営学シリーズ 「教員の経験年数に期待しない」①

現在、実践に使える(校長先生の机の引き出しにしまっておく)学校経営学の本を書いているところです。このブログで発信しつつ、ご意見をいただきながら、みんなで作っていくものになります。

 

さて、今回のテーマは、「教員の経験年数に期待しない」です。

教員の経験年数に依存せず、仕組みで教員のパフォーマンスや成果を安定させることが学校経営上重要になります。

 

ピーター・センゲのシステム思考(学習する組織)の限界と採用

「学習する組織」という書籍は枕にするほど分厚いですが、読まれた方も多いと思います。

センゲのシステム思考では、組織のダイナミクスを全体として捉え、個々の行動や決定が組織全体に与える影響を考慮することを促します。

人間関係や組織文化などの複雑な人的要素を重視する、「ウェット」な部分について言及しているものととらえています(間違っていたらごめんなさい><)。

特に学校においては、ウェットな部分は非常に重要ではあるものの、ウェットな部分だけで学校経営を促してはならないと考えています。

 

一方で、「共有知」についてその通りだと考えています。

共有知は、組織内での知識の共有、透明性、そしてオープンなコミュニケーションを促進することにより、全員がシステム全体の一部として機能し、より大きな目的に貢献できるようにするためのものとして記述されていたように思いますが、印象で申し訳ないですが、クリエイティブな感じではなく、マニュアル的な位置づけとして採用すべきだろうと思います。

 

ウェットに考え、共有知が生まれるシステムを作り出すことが、学校経営に必要なことだと考えています。

 

なぜか?

日本の教育現場では、教員は授業を担当するだけでなく、生徒指導、テスト作成、部活動支援、保護者との対話など多岐にわたる業務を一手に担っているからです。

 

海外で生まれた学校経営学では、この点が指摘されておらず、教員=授業実施者という位置づけで成り立っており、前提が異なっているわけです。

 

年功序列に依存するシステム設計

生徒指導上の問題が発生したとき、ベテランの教員が対応に当たることがあります。

それは、ベテラン教員の頭の中に、こういう時にはこうした方がよいというコンピュータがあり、過去の事例から、効果的な言葉遣い、目線、接し方を瞬時に引っ張り出し、対応しているためです。

 

緊急事態が発生したときは、このような対応が必要になりますが、それで終わり、というケースがほとんどです。また、教員養成課程でも生徒指導上の対応など、科学的な方法を習得せずに教員免許状を発行される状態です。

 

また、教員不足はご承知の通り。

www.kyobun.co.jp

 

また、業務を引き継ぐタイミングも全くなく、新しく教員(講師)になった方は、すぐに実践投入されていきます。

 

授業のスキルも同様ですが、生徒指導上の問題や保護者対応等は、しばしば長年様々なことを経験してきたベテラン教員に依存する傾向があり、新任教員や若手教員は必要なスキルや知識を十分に共有されておらず、また、十分な研修機会もないため生じてしまう、構造的な問題なのです。

 

センゲの「共有知」はこうしたナレッジを共有するために使える概念ではありますが、少し目的が異なりますね。

 

「中継ぎ役」でカバーすることもできるが…

昨年度末から今年度初旬にかけて私が実際に行ったもので、「中継ぎ」という業務を担っておりました。

これは、異動による引継ぎが十分にできないタイミングで、3月の上旬から業務を棚卸していき、いったん私に引き継いだ状態で、新しい方に引き継ぐことで、4月という超ハードな時期を、私と担当者の2人でカバーすることができるようにするための取り組みでした。

いうなれば野球でいう「中継ぎ」です。

 

ある種マネジメント的に、締め切りなどを設定しつつ、「大丈夫そうですか?」「ここは引き取りますね」とすることで、特に入学してすぐに必要な寮の説明や食事の関係は私がいったん受付をし、スムーズ(?)に業務遂行できたように思います。

なお、これを読んで中継ぎ機能が必要だとお感じになられたら、いつでもおっしゃっていただけたら、幸いです。

 

しかし、中継ぎも属人的です。

やはり日頃より業務を棚卸しながら、マニュアルを作っていく必要があります。

また、緊急時ではない平時のタイミングで、生徒指導上の問題が起きた時の対応方法等を共有する等、定期的な研修?も必要でしょう。

(夏休みがベターか)

 

というか、そもそもマニュアルの中身、項目なども不明なので、ゼロから作っていく作業になります。これは大変。

ですが、本腰を入れてやっていかないと、ベテラン教員もいなくなっていきます。

 

むしろ、ベテラン教員は、こうした事態をビジネスチャンスととらえ、引退後にマニュアルを整備していくということも所得につながっていくかもしれませんね。

 

===

今回は教員の経験年数に期待しないパート①ということでまとめてみました。

次回は、本来どうあれば、システムとして機能しそうかを検討してみたいと思います。

というわけで、おのおのぬかりなく。

 

探究と学問をつなぐGPTsを作ってみた

思うところがあり、探究と学問をつなぐGPTsを作ってみました。

課金されている方は少し使い、もっと使いやすいように助言ください。

chatgpt.com

なぜ作ろうと思ったのか?

個人探究が進んでいくにつれて、学問からかけ離れていく探究が増えているような気がしました。

それ、本当に探究なの?大学で何研究するの?と思うようなものが増えつつあります。

探究をするにあたって、それで全く問題ないのですが、一方で進路保障という意味で、少しでも探究したことが進路につながって欲しいという思いもあります。

 

では、自分の探究がどんな学問につながっているのかはどうしたらわかるのでしょう?

学問領域から探究を始めると、その繋がりを掴むのは簡単ですが、個人から出発した探究の場合は学問領域とどのようにつながっていくかは至難の業です。

学問に対する知識が深ければ深いほど、そのつながりの糸を掴むことができるはずです。

 

先生であればそのつながりの糸を掴むのはできるでしょうが、個別最適な学習を推奨されている中で、また生徒数よりも少ない先生の数でそれを個別個別に対応するのは困難だと思いました。

また、先生も若手の先生が増えていく中で、先生だからすべての学部学問に合わせて考えてもらえるなんてことはないはずです。

 

という状況を鑑みて、それはAI(Chat GPT)に任せてみようと思いました。

①ユーザーがテーマをポンと出す。

②AIはそのテーマと学問領域をすべてあたり、どんな学問が合いそうかを推察する。

③また、その学問の中で、どのような研究ができそうかを提示する。

そんな内容で作ってみました。

文系や理系はもちろん、学際的な内容も含めようと思っているのですが、、

本当にうまくいっているかわかりませんので、ぜひ多くのユーザーに使ってもらい、反応をいただけると嬉しいです。

 

それではおのおのぬかりなく。

実践!学校経営学シリーズ 「学校のポートフォリオマネジメント分析」

昨日の内容に多くの人が反応してくださり感謝です。

たたき台がないとなかなか思いつかないかもしれませんので、考えていることを少しずつアップしていこうと思います。

 

主たる発問は「学校経営とはなにか」です。

皆さんにはどう考えるかをぜひ教えてほしいです。

 

今回の肝は、PPM分析ではない、「学校独自のポートフォリオマネジメント分析」を考えてみた、です。

 

学校経営とは何??

学校経営とは、各学校が学校づくりのビジョンと戦略を設定し、それを実現するためにヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源を調達、運用して、組織を通してそれを実現しようとする計画的で、継続的な行為である。

筑波大学教育開発国際協力研究センターより)

www.criced.tsukuba.ac.jp

 

こんな定義がされていました。この定義自体は素晴らしいものですが、現場実践をしていく中でこの言葉だけでは頑張りきれません。

 

学校のビジョンを達成することが目的ではありますが、達成して終わりではなく、継続していく必要があります。

また達成あるいは、継続していくためには、様々なモノが必要になります。

 

ここで企業経営、会社経営の定義と合わせて考えてみましょう。

会社経営とは、事業を成長させて売上と利益を創出し、企業という組織運営を行うことです。経営は必ずしも成功するとは限りません。赤字や倒産などの失敗のリスクを防ぐためには、販売管理や財務会計管理・労務管理が必要であり、適度な節税対策も重要です。

(マネーフォワードクラウド会社設立より)

biz.moneyforward.com

ドラッガー等の定義は使わず、実務レベルで企業経営を支援しているマネーフォワードさんの定義を使ってみました。

 

「売上と利益を創出」「赤字や倒産」「販売管理、財務会計管理・労務管理」「節税」等の言葉が、学校経営の定義には入っていません。

 

当然学校は営利企業ではないので、売り上げや利益を上げることはありません。

売り上げや利益を上げることなく、学校のビジョンが達成し続ける必要があります。

 

第1条(教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

文部科学省 教育基本法より)

 

教育基本法には、公立・私立限らず、教育とは何かということが書かれています。

学校のビジョンは、校種ごとの役割分担はあるにせよ「人格の完成」「平和な国家及び社会の形成者」「真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民」を形成することがコアになります。

 

そのために各種教育事業が行われており、その中に学校が存在します。

その背景には、自然状態では、児童・生徒が上記のようには育まれないという前提が隠れていることがわかります。

無秩序な自然状態に暮らす者が、秩序がある人工的な状態(社会)に入り教育活動が行われることで、上記のように育まれていきます。

そのため、先生方はあらゆる手段を行い、ビジョンの達成を図るわけです。

 

先生がいればいいの?

ここまでは当然すぎるのですが、企業経営の定義の中にある「売上と利益を創出」はほしいところです。売上や利益を創出することにこだわるべきなのは、学校の経営資源について考慮しなくなってしまうからです。

教育基本法の定義だけで突き進めると、教育には先生と児童生徒がいさえすればよいということになります。

美談として「やっぱり人なんだよ」と結論付ける人がいたり、卒業時に、「先生のおかげで…!」という生徒はよく見ますが、「この教科書のおかげで!」という生徒はあまり見ません。

 

でも、授業では、黒板(ホワイトボード)や机、椅子、教科書、ノート、PC・タブレット端末、スクリーンやプロジェクター(電子黒板)、制服や体操服が必要です。

これらが無ければ、授業では成立しにくいでしょうし、必要物があるからこそ「忘れ物」という概念が生まれるといってもよいでしょう。そもそも校舎も必要です。

あるいは、時間という概念も重要です。教務の先生が授業時間を捻出するからこそ授業が生まれますし、必要時数という概念も生まれてきます。

 

これらのモノを購入するためには資金も必要です。資金があれば、教員を雇うことも可能になります。

 

やはりお金が大事…

民間企業は事業遂行に必要な物品を購入し企業活動を行い、モノやサービスを販売し、事業が継続します。

学校は教育事業を遂行するために購入し教育活動を行い、事業が継続します。

 

モノやサービスを販売はしませんが、どこかから収入を得る必要があります。

いわゆる「税金」です。

 

限られた税金を各学校に振り分けていくためには、算定基準が必要になります。

皆さんが財務担当だった場合、どこに振り分けていきますか?

難しいですが、「企業の社長だったとして、どこに投資しますか?」という問題とも言い換えられます。

 

その回答として自分が考えているのがPPM分析」です。

1970年代にボストン・コンサルティング・グループが、「PPM分析」を提唱しました。

 

「市場成長率」と「市場占有率(マーケットシェア)」の2軸からなる座標上で事業や製品、サービスを分類することにより、経営資源の投資配分を判断するための手法

 

PPM分析では自社事業を下記の4つのポジションに分類します。

● 花形(Star)
● 金のなる木(Cash Cow)
● 問題児(Problem Child)
● 負け犬(Dog)

これらの4つのポジションで自社の事業の将来性を把握するとともに、競合企業との売上の格差を可視化することができます。

マーケティングソリューションならMarkeTRUNKより)

www.profuture.co.jp

 

市場成長率や市場占有率によって、2×2のマトリックスでポジションを分類し、花形や金のなる木、問題児、負け犬という4つに区分され、投資対象を見極めることができます。

もちろん学校をこの図式に当てはめることはできません。しかし、例えば大手企業が投資をしたり、その学校によって移住が進むようになれば、その地域の税収は上がります。学校に直接の収入は入ってこないものの、学校があることによる影響や効果は地域(自治体)に伝わっていきます。

また、限られた税収だけではなく、第三者の財団などから予算を獲得することも、学校はもちろん自治体から歓迎されるものです(事務作業は増えるのでなんとも言えませんが)

 

学校のポートフォリオマネジメント分析=ITM分析

市場成長率ではなく、「学校の影響力(数値化しにくい…)」で考えてみるのはどうか。つまり、その学校が存在することでの影響力。例えば、海外の大学にも輩出していたり、卒業生が大活躍していたり。あるいは企業による投資が進んだり、パートナーシップが進んだりといった部分。

 

市場占有率ではなく、「税金占有率」で考えてみるのはどうか。つまり低コストに抑えるか、別の財源を確保するかという視点。

 

この掛け算で考えると、どんな学校であるべきかを考える時に役に立つかもしれません。

 

普通科改革が叫ばれますが、それは普通科高校が「学校の影響力」が低く、「税金占有率」も一定(昔から変わらない)と算定されているからこそ言われているのかもしれません。

 

一方、普通科改革によって学校が独自の価値を発揮し始めると、税金は圧迫するものの、学校の影響力がよい形で出始めるかもしれません。これは投資しがいがあります。

また、DXハイスクールによって、様々な勤務の形が変化し、時短が進むことで、財源が抑えられ、余剰の時間等で別の価値を発揮するというのも投資しがいがありますよね。

また、島根県で行われているコンソーシアムという動きも、税金占有率を下げる取り組みです。学校の税金を圧迫せず別の予算として組み込むことができるため、ある意味別の財布を学校等は使うことができます。

 

このように、学校の影響力(Impact)税金占有率(Tax)によって、学校の立ち位置を分析し、変化を起こすために動くきっかけを与えてくれるもの。

学校の影響力(Impact)と税金占有率(Tax)のポートフォリオのマネジメント(Management)、略してITM分析が学校に必要なのだと考えます。

 

===

唯一の欠点は、ITM分析は客観性がないので、自分たちで自分の立ち位置を分析するためだけのものです。客観的な指標ができればまた違うんでしょうが…

 

とまぁ、こんな感じのシリーズです。

ためになったと思ったり、いやいや違うでしょ!というご意見があればぜひコメントください。

励みになります。

 

それではおのおのぬかりなく。

 

「実践!学校経営学」という本(マニュアル)を書きたくなった

先日TGS2024に行くため、東京に行きました。

TGS2024の振り返りはまた別で書こうと思いますが、ろくにTGS2024で何も買わず、東京駅近くの本屋で本をあさりました。

 

今回は3冊ほど購入しましたが、教育系の本はそのうち1冊のみ。

後は別ジャンルの本ばかりです。

 

いつも学校経営に関する本棚を見るのですが、だいたい、こんな内容ばかり。

・「リーダーシップ(校長)が大事です!」
・「学校のビジョンとミッションを作りましょう」
・「学校もPDCAを回す必要がある」
・「グランドデザインを作って、共有しましょう」
・「カリキュラム・マネジメントをしっかりやりましょう」
「保護者や地域との関係性を大事に」
・「学校危機管理を徹底しよう」
・「チーム学校の意義」
 
こうした内容とともに、事例として小学校や中学校の事例が並んでいきます。
これはこれで悪くないのですが、教育委員会が言いそうなことで、理論的というよりは好事例集のような感じです。
 
個人的には、学校には教学と経営が混在しているのに、教学が強すぎており、特に公立の場合は、自由に使える経営資源も限られていて、経営したくても経営できない状態にあるのが課題だと思っています。
 
また、企業のように黒字や赤字などもないし、潰しあう世界でもないので、例えば「学校経営戦略論」のような理論が発展せず、カリスマ的な校長が経営センスを発揮し、もてはやされるようなそんな世界です。
 
カリスマ校長やカリスマ教員に頼らず、誰でも特定の理論に則れば、学校経営がうまくいく=教学と経営が好循環する状態を作り出せるような、そういった学校経営学が必要になっていくのではないかと考えています。
 
それは例えば、学校における赤字や黒字という状況を定義して、うちの学校は赤字なのか黒字なのかを判断し、それに対処する形で、戦略や組織を考えていくような学校経営をしてほしいと願っています。
 
前述のとおり、公立は特に経営資源が限られていて、経営したくても経営できないのも事実です。だからこそ、コンソーシアムと合わせて経営するような理論が必要なのだと思います。
それは本というよりも、マニュアルに近いような、そういった代物です。
 
ということで、ここでは日々考えた「学校経営論」を皆さんと一緒に作っていければと思います。たまにライブ配信YouTubeアップもしていこうと思いますので、ぜひ皆さん忌憚ないご意見をお寄せください。またこういうことが困っている、ここが知りたいというようなご意見もお待ちしております。
 
ということで、おのおのぬかりなく。