新学期がスタートして、準備が全然追いついていません。
昨年度よりも授業の数は変わっていませんが、教材の制作に時間がかかっています。
さて、探究活動を始めるところも多いと思います。
教科書がないというのは、オープンワールドの世界でガイドもなく、ほっぽり出されたような状態です。授業はゲームではありませんが、大きな目標、何をしたらいいのかのガイドくらいは欲しい物です。
探究活動では、思考力、判断力、表現力や主体性を身につけて欲しいという方も多いはずです。ところが、その手立て(教具や教材)がないのも事実です。
思考を見える化するために、思考ツールがあります。
思考ツールは有効で、「何を考えればいいかわからない」という子供達に「今どのように考えればいいか」のガイドをするようなものです。
あらかじめ思考の枠が決められているため、Xチャートだったら「4つのことを考えればいいのか」などを、無意識に誘導することができます。
既存の思考ツールは「課題について考える」というお題の時には有効ですが、シリーズものの10時間完結のプロジェクトベースの活動全般に応用できるかと言えばなかなか難しいものです。
つまり、
・各フェーズでの思考ツール
・全体を俯瞰できる思考ツール
の2つがなければ、探究活動を自主的に行うことができる「思考」には至りません。
ということで開発したのが、次の思考ツール、通称「探究チャート」です。
チャートというのは「海図」の意味です。探究という海をどのように走るのかを理解し、今自分がどこにいるのかを理解するために作ったものです。
仮説の中には、矢印が行ったり来たりするフェーズがあります。
これは、人間の思考が一方通行ではないということを示しています。
あっちにいったり、こっちにいったりするというのを受容し、その中での確認事項(誰のため?何のため?など)に答えながら、次のフェーズに進んでいくイメージです。
探究のプロセス上は、問いを立てて、現状把握をし、課題を発見し、解決策を検討するという流れですが、人によっては、まずアイディアがポッと出てきて、その上で帳尻をあわせるという人もいるでしょう。
もちろん、結論ありきでデータを収集するのではありませんが、それもまた学習の一環だろうと思います。それを伴走したりファクトチェックをする大人たちが見定め、フィードバックすることで論理的思考を獲得するのではないかと思っています。
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学び方も多様。探究活動も多様。
しかし、多様と自由はイコールではありません。
オープンワールドゲームを遊ぶ時、ガイドに従ってもいいし、従わなくてもいいという自由が保障されているからこそ、多様な遊び方があるのです。
ガイドがないゲームになると、達成感を得られぬまま自由な体験のみが続き、飽きられる可能性が高いでしょう。
探究チャートは一つの探究活動を促すためのツールです。
よければ試しに使ってみてください。
ということで、おのおのぬかりなく。